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2010年1月20日水曜日

卵が先か鶏が先か?社長かそれとも社員か?


 今日の講師は昨年の10月28日に続いて、日本電波工業㈱顧問の村松弘昭様だ。60歳を期に一旦退職したが、コンペティターであった日本電波工業へヘッドハンティングを受け、東北の赤字子会社の経営再建に腕を振るわれた方である。ご専門は水晶の加工であるが、この水晶は携帯電話であれば6個程度、クラウンクラスの車だと80個程度が使われているそうで、電波の発信・受信機能を司る不可欠の石だそうだ。時計だとクオーツということで水晶発信という言葉がすぐに出てくるが、身の回りの電化製品等々にも沢山使われており、我々の日常生活とは切っても切れない石である。会場へ大きなガラス玉を化粧箱に入れて持参され、本物・偽物の見分け方を話され、受講者の興味を引いた。
 講話の題は「会社再建の経験から」ということで、自身が経験された社員数850人程の日本電波工業の赤字子会社の工場の建て直しの経験から実務として学ばれたことをお話になった。引き受ける際「1と2以下は違うよ」と本社の社長が言われた言葉の意味はトップとそれ以外の人とは問題に対する意識レベルが全く違うという意味であり、トップは率先垂範こそがとるべき道であり、ボトムアップでは変わらないと。
 「しかけ」として列記された項目が20ほどあったが、この他にまだ30個ほどあるそうだ。キーは「簡単に実行出来る事」から始めて、評価の「見える化」であるという。そして仕事をするのは工場であっても機械ではなく人間であることから人間の質を変えることが肝要で、「職場の教養」を用いた朝礼や、油絵を描かせる運動など、「感性」UPの試みを多方面で行なわれたとのこと。
 これらの運動により社員に「明るさ」と「元気」が生まれ、赤字会社は2年で黒字化を達成され、多大な貢献を果たされ、今も顧問として留まっておられるとのことだ。人は様々である。従って、同じものを観ても、体験しても感じ方、感じる幅が違うもの、その感性の豊かさこそ社員力の源泉であり、企業力に直結するものだと結論づけられたと感じました。

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