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2014年5月17日土曜日

オーガニックコットンを通しての社会貢献  杉並区西倫理法人会 会長 渡邊 智恵子 氏


 最近、富岡製糸工場跡が世界遺産として認められるという報道に沸いた日本ですが、食物以上に国内自給率が低く、ほとんどゼロに等しい繊維原料の世界、最近では私たちも化学繊維よりも綿や麻で代表されるような天然・自然繊維の衣服を好んで着るようになったが、実はこの原料も人間に安全な素材ではなく、ほとんど80%以上が遺伝子組み換えや、栽培時に使用される農薬汚染に蝕まれた危険な素材だそうで、主要生産地のインドでは農薬の被害で、農業に従事する児童の大半が二年間で農薬中毒になり廃人同様になるという悲惨な現実があるそうだ。また、農業そのものが、「循環型」という生産性の高い形態ではなく、「種」を買い、「農薬」を買い、収穫期の収入を担保にして、リスクの高い農業を余儀なくされる結果、凶作に陥れば、たちまちのうちに返済に窮し、追い込まれた結果、「自殺」という方程式で、年間の自殺者は3万人を超えるという実態が繰り返されている。というショッキングな話から入られた講師の渡邊さん。

 オーガニックという言葉は今や一般化しているが、1990年からオーガニックコットンの輸入を始められ、農業の実態を知り、体にやさしい有機栽培の綿花の海外での生産はもとより、国内での綿花栽培を有機農法で広め、繊維から生地そして製品化から販売まで、一貫した流れを構築しようと自分の人生を掛けられているが、驚くべきはそのマーケティング力で、時代の流れを捉えられながら、そのポイントを突いたアイディアと行動は、「すごい」の一言に尽きる。


会社の名前は「前進」を現すアバンティー。イタリア語である。
稲盛さんの「清和塾」に学び、その教えはまさに純粋倫理を
説く、倫理法人会の勉強であると。倫理経歴も19年間と長く、
東京都下の幾つかの倫理法人会を移った後、現在杉並区西
に所属され、会長を務められている。
 会社の経営もスタッフの皆さんで回るレベルに成長しているので、社長業よりも、ご本人は社会活動に軸足を置いて行動されているということで、



 1.東北グランマの仕事づくり
 2.福島の子供たちの保養所
 3.長野県小諸市の村づくり
 4.国産のコットン栽培

が主な活動軸のようだ。東北グランマの仕事づくりに関しては、
3.11の大震災後の地域活性化のモデルケースとして成功を
収めたが、同時にその関心度は何時までも持続するものではなく移ろいやすい大衆の本質を再確認する機会にもなったと語られた。そこで、挫折せず、次の手を打てること。ここが素晴らしい。
上の写真は冬季五輪の選手壮行会での女子フィギアスケートの選手団に採用されたオーガニックコットンの帽子を被った浅田選手。




 講話の最後に「なんじゅすっぺ」という詩集の一節を読まれて講話を終了されたが、わずか40分程度の時間では、渡邊さんの活動を把握するには短すぎるという印象でした。上掲の四つのプロジェクトの一つ一つをつぶさに聞ける機会を得たいものだ。有難うございました。

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